2016/10/13

やさしく教育論⑦~厳しさとやさしさ

厳しさと優しさ

東京都渋谷区にある小学生対象のプログラミング教室スモールトレインで講師をしております福井です。今回ははやさしく教育論⑦として「厳しさとやさしさ」です。こちらもやさしくデジタル2016年8月号に掲載されたものが元になっています。

こちらは今年行われましたリオオリンピックシンクロの井村コーチの話が元になっています。私自身、かねがね「厳しさとやさしさ」については考えを持っていたわけですが、それが今回のリオオリンピックで表に出てきましたので、これを機にまとめてみました。ぜひご覧ください。

塾で勉強を教えていると、さまざまなタイプの先生に出会います。大変厳しい先生、大変優しい先生。私は厳しい先生の部類に入ると思うのですが、この厳しいやり方というのは意外と敬遠されがちです。その理由は今の時代には合わないからです。また厳しさ=暴力となってしまって、近年体罰や暴力を使った指導が問題なっているのも原因でしょう。

しかし、厳しさというのは暴力と一緒ではありません。暴力に頼らなくても厳しい指導は可能です。例えば巨人で活躍した桑田真澄。彼は体罰を猛烈に批判していましたが、後輩が最も恐れていたのは桑田真澄でした。それだけ厳しい態度で野球に臨んでいたと言えるでしょう。

そして、今回、厳しい指導で有名なシンクロの井村コーチが日本に戻り、指導をした結果、日本はデュエットで銅メダルを獲得しました。なぜこのような人を辞めさせたのか、そこには年齢的な問題とその指導の厳しさが今の時代に合わないという理由があったようです。

1日12時間を超える練習は当たり前。時には体に重りをつけてルーティンをこなした。筋トレも1日2時間までが一般的だが、多い日は5時間。国立スポーツ科学センター(JISS)のロープを腕力だけでよじ登るメニューでは、選手が限界に達したところで「下りてくるな」と我慢させ「その上にメダルがある」ともう一踏ん張りを強いた。選手が泣こうが、JISSスタッフから「落ちたら危険だ」と止められようが、やめなかった。あまりの過酷さに、昨年は代表候補の2選手が離脱した。(スポーツ報知8月18日)

こうした指導に対する反対論があり、おそらくそれは今でもあるのでしょうが、そうした中でのメダル獲得。この結果から分かるのは、井村コーチはただ厳しく指導しているだけではなくて、その指導に結果が伴っているから選手もついていくのだと分かります。

では、今回なぜ銅メダルで以前はダメだったのか。選手が変わったわけでもないのに指導者が変わっただけでなぜこうまで違うのか。そこには厳しさだけではない原因があります。私は以下の点がスポーツも教育も同じだなと感じました。

自立とか自立性という意味で、全くコーチを頼らない。全然頼らない。どうして?と思うんです。選手は試合になると怖いというのがあるから、私は影の力になってやりたいと思う。だけど、コーチに頼む時と頼まない時がわかってない。あまりかわいがられていない子がそうなると思うんです。
(中略)
結局、今までコーチは自主性とか自立とかいう言葉で何もしてあげてなかったということですね。それがやっと、フランスに行った時に、最後付いていって選手を送り出すでしょ、そしたら終わった後に「なんか、先生たちと戦った気がしました」って。当たり前のこと言うとる。もしそうやなかったら私ら付いてくる必要ない。勝手に飛行機乗って、勝手に試合出たらいいんや。(フィジーク・オンライン)

厳しさ=暴力ではなくて厳しさ=真剣さであり優しさでもあるんですよね。井村コーチは世界を知っているわけで、その指導のレベルを超えていかなければ世界で戦えないわけです。教育というのも同じで、少なくとも自分が教えた生徒に関しては自分よりもできるようになってほしいと思います。そしてそうでなければこれからの世界は大変で生き残っていけないでしょう。

そのためには生徒に真剣に向き合うこと。真剣に向き合えば厳しくなります。要求は多くなります。しかし、そうした中で頑張った結果、能力が上がってくるというのは勉強もスポーツも同じでしょう。

最近、自分ができることをやりたがる子供が多くいます。つまり○になることを求めているんですね。しかし、○になることをいくら繰り返していても○以上にはなりません。×になる問題、分からない問題に挑戦して初めて力がつくわけです。これは大人たちは分かっています。

しかし、いざそれが教育にとなると、〇は褒め、×はダメとなるため、子どもたちは×を取らないようにと考えます。そこで思うわけです。「×になる問題はやらなければいいんだ。そうすれば×にならないんだ」。

これは子どもたちが悪いわけではありません。子どもたちをこのようにしてしまった教育システムが悪いんです。これは変えていかなければなりません。そして考えることが楽しいと思えるような教育を実現していく必要があるでしょう。有限会社スモールで行っているプログラミング教室はそうした教育を行う場です。子どもたちが少しでも考えることに面白さを感じてもらえるように日々頑張っています。

多くの方にプログラミング教室スモールトレインに参加していただくため、コースとして月2回、月4回、月8回とあり、曜日固定ではなく空いている時間に来られます。遠方だからと悩んでいる方もぜひ説明会にご参加ください。お待ちしております。

現在、プログラミング教室スモールトレインでは、説明会&体験会を実施中です。10月の説明会&体験会は10月16日(日)、10月29日(土)です。ぜひお気軽にご参加下さい。

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